mmm

その日、カレーライスができるまでのmmmのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

三日目のカレーが好きだという妻のため、彼女の誕生日の3日前から、カレーを仕込みはじめる
くたびれた中年の男
ラジオにそのことを投稿するのだが「色々あって今年はひとりです」という言葉

ワンシュチエーション・1人芝居
それくらいの情報で鑑賞したので、
何故ひとりなのか、妻と何があったのか
冒頭に出てくる子供に何があったか
じんわり分かっていくのが良かった。

見始めた時は、奥さんの存命も分からず、募金箱は息子のためだと思っていたので、タイトルが出た時、英題が"again someday"(だったと思う)で察しがつくっていうのも、よい流れだなぁと。

テーブルに置かれた写に向かって話しかけたり、写真が倒れたり、部屋に気配を感じたり…
不可解なことながら、亡き息子の気配を感じたし、後半に起こる偶然が生んだ奇跡もまた、じんわりとよい感じだったのですが、
そういう想像を含めて成り立つ作品だと思っていたので、
鑑賞後、公式サイトにあらすじが全部書かれていて、正直ちょっとびっくりしました。
これ鑑賞前にみると、この作品の良さが減ってしまわないかな??

あと、独り言だから仕方ないけど、中盤で健一がぼそぼそと独り言をつぶやくくだり。
あそこまで聞き取りづらいのは意図的だったのかな。
個人的には、聞こえない時間が長すぎて「ここで流れが掴めなくなってしまったのかな?」なんて、ちょっとモヤっとしてしまいました。

食材が近所のスーパーというよりはちょっと良いお店の肉や野菜って感じ。
人参の色とかじゃがいもの大きさとか、お肉のブロックも立派で
…奮発したのかなー。
そういうことにしよう。

戯曲がもとになっているというのは話を聞いて納得。
雰囲気はとてもよい作品だけど、ちょと物足りなさもあり(何も起きないことは承知の上で)観終わってからも、心の中でじっくりコトコト煮込んだ方が味がでるのかもしれないですね。

すごーく静かな作品なので、飲食のカサカサ音は、本気で気を付けてほしい!
(最近、これに悩まされ続けてます)
mmm

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