オリーブおばさん

その日、カレーライスができるまでのオリーブおばさんのレビュー・感想・評価

4.5

『blank13 』のキャストと重なるし
音楽にも繋がりを感じてアナザー
ストーリーのように観てました。

カレーを煮込む男 リリー・フランキー
さんのほぼ一人芝居。舞台劇を
映画化。企画・プロデュースを
齊藤工氏。監督が清水康彦氏
脚本は舞台と同じ金澤知樹氏

3日間で制作したそうですが
ミニシアターととても相性が
良い作品に仕上がってると思う

「カレーライス」の旨味よりも
部屋の外の激しい雨音や雷鳴
そしてラジオ。「音」が旨味

公園で「達磨さんが転んだ」で遊ぶ
写真立ての中の息子。深夜押入れから
聞こえる物音。襖を開けて飛び出た
古びた募金箱。電話口から聞こえ
お国訛りの兄の声。家を出た妻
からの電話(声は神野三鈴さん)

それらのピースを繋げると一見、
孤独に思えるが彼は幸せだと思う

カレーを食べてもらいたい人の為
ラジオを聴きながら3日間煮込み、
その人を待ってるってしあわせだ
と思うから。

昔、階上に一人暮らしの方がいて
一日中、ラジオの音が聞こえて
ました。つけぱなっしの理由は
落ち着くからって事でした ーー

その時はそんなに深く思わなかった
が、コロナ禍の世の中、人と人が
物理的にも精神的にも距離を感じる
今だからこそラジオほど寄り添って
くれるメディアは他にはないなぁ
この映画を観て再認識した