けんけん3号

その日、カレーライスができるまでのけんけん3号のネタバレレビュー・内容・結末

3.2

このレビューはネタバレを含みます

事前情報なしに、タイトルに興味を持ち鑑賞。この映画の内容でのリリー・フランキー位の年齢の孤独はかなり辛いなぁ。男一人、亡くなった息子の写真とウイスキー。すれ違って出て行った妻の誕生日の為のカレー、全部が切ない。またラジオがそれを増幅させる。ここはAMラジオの方がらしい気がしたが、ラジオ局の投稿はナイスアイデアだと思った。熟年でお別れをした人たちは、やり直せてハッピーに暮らしている人、孤独でその傷が癒えないで暮らしている人に別れると思うが、後者の方が多い気がする。色々な事情で一人になったのだろうが、孤独は辛い。へたしたら空っぽのまま悲しみを背負って余生を過ごすしかないから…。それが分かってるから、現実的にはファミリーを持てないだろうし。そんな様子をリリー・フランキーが見事に演じている。狂気の悪人も上手いけど、今作のような役も上手く、役の幅の広さを感じた。部屋が明るくなるのと同時に、これからいい方向に行く兆しが感じられるのもいい。最後のシーンの来客が、元嫁でありますように。悲しい孤独なおっさんに救いを!