ボブおじさん

弟は僕のヒーローのボブおじさんのレビュー・感想・評価

弟は僕のヒーロー(2019年製作の映画)
4.0
御涙頂戴の説教くさい映画ではない。明るく楽しくパワフルな家族の愛の物語、そして紛れもない青春映画だ!

主人公は、ダウン症の弟ジョーではなく、5歳年上の兄ジャック。姉と妹の強力タッグの間に挟まれて、いつも形勢不利なジャックは弟の誕生を誰よりも喜んだ。弟は特別な子だと両親から聞かされたジャックは、弟を〝スーパーヒーロー〟だと思い込む😊

成長してダウン症のことを理解してからも2人は仲の良い兄弟だった。だか、やがて弟を愛する気持ちに〝思春期の心〟が衝突する。

家の中ではジョーと一緒にいて楽しいと心から思えるのに、外に出た途端に弟のことを隠さなきゃいけないような気がしてしまう。そんなある日、好きな子についた小さな嘘が田舎町全体を巻き込む大騒動を招くことに…。

15歳という多感な時、恥ずかしさと罪悪感、自分を守ることと家族を思う気持ち、その両方を同時に抱える複雑な気持ちは理解できる。

ダウン症の弟と兄の関係を中心に描かれているが、両親のイタリア的な大らかさと陽気でユーモア溢れる家族のおかげでウエットな雰囲気になっていない。

いかにもイタリアらしい、いかにもミニシアターらしいハートウォーミングな良作だった。上映館が限られているが、出来るだけ多くの人に見てもらいたい😊