真っ黒こげ太郎

食人雪男の真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

食人雪男(2020年製作の映画)
1.7
ヤツは 顔面から 喰う。
(顔面を喰うシーンが無いんですがそれは…)

(色んな意味で)想像を絶するスーパーバイオレンス・モンスター・パニックついに日本上陸!




雪山の奥地。
細胞を蘇らせ、どんな病でも治してしまう力を持つといわれる神秘の植物、”雪男草”(!?)を求めやってきたスミス教授率いる探検隊。

だが、そこは雪男草(大草原不可避)を守る凶暴なUMA”イエティ”が生息していた!!!
イエティは探検隊達を次々に血祭りに上げてゆくのだった。



伝説の草を求めてやってきた探検隊を、凶暴な雪男が襲う、モンスター・パニック映画。
トカナ(現:エクストリーム)によって配給&公開され、(色んな意味で)話題となった激安Z級映画の一つ。


もうジャケや宣伝文句からして胡散臭さMAXな本作。
本来なら、っていうか間違いなく他の配給会社が配給していたらひっそりとビデオスルーか配信スルーで終わらせる所なのだが、本作を配給したトカナ(現:エクストリーム)は、何を血迷ったのか比較的大きな規模で劇場公開(!?)という無茶を決行。
結果的に普段Z級を見ない人々の目に留まってしまい、良くも悪くもトカナの名を世に知ら占めた。

そんな感じで非難と罵声を飛び交わせた本作、しかしそんな本作にも特殊メイクのグロシーンがあると聞いて興味が湧いてしまったのだ。w

果たしてどんだけ酷いのかと、覚悟の上で鑑賞。


            うん、


          ひ ど い 。


こんなのを劇場公開するとか、正気かよトカナ!?

お話は単純明快で、「主人公たちが雪山で伝説の薬草を探す」というものだが、登場人物は皆無個性すぎて誰がどいつかすらまったく分からない。

脚本も支離滅裂で、何か知らん理屈をこねくり回してビーコンを設置したり、何か唐突に裏切って逃げ出そうとしたり、実は唐突にタイムスリップ(!?)していたり、話が壊滅的過ぎてサッパリ頭に入ってこない。
お陰で誰が死んで誰が生き残っても、全く感傷が湧かないどころか、誰が出てきたかすら分からないので何もかもどうでもよくなってしまう。

本作のモンスターは雪男なのだが、見事なまでの着ぐるみ!!!
動きもモッタリ気味で、人が襲われても緊張感の欠片すらない。
帽子の青年に襲い掛かる場面とかに至ってはスキップしてる様にしか見えなかった。w
雪男に銃を打ち込む場面もあるが、迫力皆無でメチャクチャしょっぱいし、弱点を突いてもちょっと怯むだけでだからなんだという感じだ。


舞台もそこら辺のスキー場で撮影したみたいで代わり映えしないし、脚本も壊滅的過ぎる所為で作中色々な事が起こっても退屈で仕方がない。
カメラの画質は綺麗ではあるが、カットが変わる度に昼になったり夜になったり(「死霊の盆踊り」オマージュ!?)、カメラワークもブレまくりと完全に素人映画。
正直、本編の尺が70分位しかないにも拘らず最後まで退屈だった。

っていうか伝説の草の名前が「雪男草」て!w
(英語でも「yeti plant(イエティプラント)」って発言している…って原文ママかよ!w)



そんな感じで、見事なまでのクズ映画の王道を突っ走ってる本作。
一応数少ない、というか唯一の褒める所はグロゴアメイクは頑張ってた事。

本作のグロメイクは「血の祝祭日2」や「デスクローン」等のグロメイクを手掛けた人らしく、要所要所にあるスプラッターシーンはちゃんと特殊メイクを使って描かれているのは好感触。
特にアゴを引き裂く場面と、顔の皮を豪快に剥ぎ取って倒れた相手の背骨が見えるまでズタズタにする場面は実にグロくて良かった。

ただ、それ以外に特に印象に残るグロはせいぜい喉を食いちぎる程度しかなかったが…。(駄目じゃねーか!!!)
せめて残酷描写の分量がもうちょっとだけでもあれば大分マシになったんだけど…。


そんなこんなで、グロゴア描写という唯一の見せ場はあったので、救いようのないという程ではなく(えぇ!?)、まだ見どころはなくはない程度のゴミ映画で済みましたが(そうなのか!?)、それでもショボくてツマンないゴミ映画には変わりないので、この手のクズ映画の好事家でもなければよほどの事が無い限りは見ない方がいいですね。w


俺はレンタルで見たから良かったけど、もしこれを劇場で見てたらと思うとゾッとするな…。
ってか、トカナことエクストリームは、このレベルのクズ映画をバンバン劇場公開してるのかよ!?
アルバトロスコアやトランスワールドアソシエイツでもそこまではしないのに…何がそこまで彼らを駆り立てているのか。w