ちろる

ナターシャのちろるのレビュー・感想・評価

ナターシャ(2012年製作の映画)
3.6
動物園で働くクマのニコライは毎日毎日元妻のナターシャを想い出して気持ちが晴れないのだが、ナターシャの次の旦那がニコライの動物園にやってくる。

ナターシャを巡る2匹の攻防戦。

そこでニコライが、豊かな暮らしを求め、市民権を得る為に国境を超えたものの市民権も得られず今に至る事が分かってくる。

不法滞在者の夢と打ち砕かれる闇。

ニコライがかつて母国で音楽家として働いていても結局不法滞在者に明るい道はなく、エンジニアや教師をしていた動物たちも今は同じく檻の中で見せ物になっている人生。

そんな切ない不法滞在者たちの悲しき呟きをニコライに語らせてるだけかと思いきや、後半バーのシーンでとんでもないニコライの愛のナターシャへの愛が炸裂。
真っ赤に染まるし白くまのニコライのシーンがとても印象的だ。

ナターシャも呆然と立ち尽くしていたのを見ると、ニコライの深い愛に胸を打たれたのだろうか?
それとも、あれは幻?

かわいいアニメーションに似合わずかなり大人向けですが、とても感慨深いお話でした。
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