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リング・ワンダリングのワンコのレビュー・感想・評価

リング・ワンダリング(2021年製作の映画)
3.8
【寓話的で漫画的】

僕は寓話的な作品は好みなので、作品の意図するところを想像して、この作品は良かったなと思う。

ただ、動機としては、阿部純子さん見たさの、舞台挨拶の回だった😁
マスクで顔半分隠れてたけどね😁

ニホンオオカミの剥製を上野の国立科学博物館で見たことがある。

大陸のシベリアンハスキーっぽい感じのオオカミとは違い、小柄で犬っぽい感じだ。

それに、あの剥製はかなり痩せてて、ずっとひもじかったのかなとか余計なことまで考えたりした。

随分前は、ニホンオオカミは、和犬と交雑したものじゃないかと云う説もあったらしいけど、DNA解析が進んで、現在では、大陸のオオカミや、犬とも異なる進化をした種類のオオカミであることが分かっているようだ。

映画の中では、大陸の戦争(おそらく日露戦争)で、たくさんの毛皮が必要になってと人間の乱獲が示唆される場面もあるが、家畜を襲うことがあったための駆除はあったが、絶滅の主な原因は、ジステンパーなどの犬科特有の病気が広がったことだと考えられている。

(以下ネタバレ)

この作品は、寓話だ。
まあ、エンディングには漫画でもあるなと思った。

ただ、過去と現在が絡み合って、過去の悲しい歴史、つまり戦争や、離れ離れになった家族、過剰な開発、環境、絶滅したものに思いを馳せるストーリーは、実は、考えさせられることがたくさんあるような気がする。

タイトルの「Ring Wandering」の意味も分かるような気がした。

監督が、この作品の構想を始めた当初から、阿部純子さんをみどりとこずえの役にあてることは決めていたらしいが、なんか、なるほどと思った。
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