JohnConstantine

ミッドナイト・キラーのJohnConstantineのネタバレレビュー・内容・結末

ミッドナイト・キラー(2021年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

実話ベースの連続殺人事件を扱ったクライムサスペンス。

ブルース・ウイリスはややゲスト的な立ち位置での出演。

エミール・ハーシュ演じる実直なバイロン刑事、ガッチリとした身体に相変わらずスーツが似合って格好良いブルース・ウイリス、スタイリッシュでキレの善いルックスのミーガン・フォックス、マイホームパパ然として一見人畜無害そうな連続殺人犯のルーカス・ハース。
いずれもキャラクターとしたは異なった色合いでコントラストがあって良い。

しかしながら、防犯カメラで犯人を突き止めるならそもそも囮捜査が不要では、と思わざるを得ない。

ミーガン・フォックス演じる無鉄砲?なFBI捜査官レベッカ、勢い良く敵の懐に飛び込むのも躊躇ないのだが、あっさり捕まって自分が生命の危機に陥るとはいやはや情けない。


ただ本作は最初から鑑賞者にも犯人や手口は分かっており、ミステリー的な要素はなく、むしろ取るに足らないいち娼婦として捨て置かれた被害者達へ向けられたものなのではと思う。

エミール・ハーシュ演じるバイロン刑事は序盤で被害者の母を訪ねる。
そして物語の締め括りは、事件が解決したらまた来てほしいというその母との約束を守り、バイロンと被害者の母が抱き合って涙するシーンだ。


クライムサスペンスとしては突っ込みどころも多々あるものの、バイロン刑事の被害者への思い、そして約束を果たすラストはこの作品そのもののメッセージなのだろう。


例え娼婦であれポン引きであれ売人であれ、誰かの子供であり誰かの家族であって、取るに足らない死などこの世界にはない。

そうして顧みられることのなかった被害者達へ作品から溢れる思い、また不幸にも命を落としてしまった被害者のことを想像すると、最後の涙の抱擁は胸に迫るものがある。

作品としてはやや進みも遅く地味な印象はある。しかしいわゆる娯楽作品としての映画と言うよりも、亡くなってしまった被害者達への手向けとして、そして被害者の家族へのせめてもの慰めとして、本作を見るのも悪くないのだと思う。
JohnConstantine

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