湯っ子

健太郎さんの湯っ子のネタバレレビュー・内容・結末

健太郎さん(2019年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

話題の健太郎さんに、私もお目にかかりました。

ホラーは苦手で、普段はあまり観ないのですが、短編ということもあり、チャレンジ。

冒頭の食卓のシーンの画と不穏さが最高。あのシーンが撮れただけで、この作品の成功が約束されてると思う。
一見普通の、申し分ない幸せな家庭に見えるのに、何か噛み合っていない一家と、なぜか食卓のまんなかに鎮座する健太郎さん。
家族だんらんの時間なのに、ちょっと部屋暗すぎない?とも思ったけど、青っぽいグレーな感じの映像や、神経を逆撫でするような劇伴がスタイリッシュ。ホラーは苦手なので、最後までビビりながら、でも引き込まれて観ていた。

さて…この先はあくまで個人的な好みなのだけど。
あの最初のシーンのような、不可解で不穏な様子、家族のコミュニケーション不全、事件への罪悪感を、さらにしつこく描写しても良かったな。健太郎さんが実在しているようにも幻影にも幽霊にも思える感じだったら、さらに好きかもしれないと思った。私の印象からすると、わりとはっきり健太郎さんが実在の人物として描かれているように思えたので。

それでも、しっかり怖く面白かった。
このフレッシュな才能を鑑賞できたことを嬉しく思う。
高木監督、今後も期待してます!
湯っ子

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