エイデン

健太郎さんのエイデンのレビュー・感想・評価

健太郎さん(2019年製作の映画)
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ある一軒家に住む斎藤家
敏夫と和子の夫婦と、賢人と優愛という子ども達というありふれた家庭だったが、彼らはある秘密を抱えていた
それは“健太郎さん”と呼ばれる血の繋がりも無い男性と同居しているということ
一言も言葉をかわすわけでもなく、時折不気味な視線を投げかける健太郎さんを、斉藤家の面々は恐れるような素振りを見せながら丁重に接していた
そんな異常な光景のまま毎日を過ごしていく一家だったが、そんなある日 唐突に健太郎さんは行方をくらましてしまい・・・



佐賀国際映画祭で最優秀賞を獲得した短編映画

ごくありふれた家族に存在するたった1人の異物 健太郎さん
何一つ言葉も発せず、奇妙な振る舞いを繰り返すだけ
その存在に振り回される家族を描いたサスペンス映画

健太郎さんが一体何者なのかというミステリー調で物語が展開
斎藤家とはどういう関係なのか、そもそも実在する人間なのか、様々な憶測が頭の中を駆け巡るのは楽しい

更にその振る舞いに生活が脅かされていく斎藤家はなかなかストレスフルで、一家の健太郎さんの扱いから妙な緊張感も漂うのが面白い
こんなやつ家にいたら嫌だなあと思わせる存在感だけどオチがまた秀逸で、斎藤家と健太郎さんの関係性の見方が一変するような仕掛けになってる

何と言ってもこれが30分そこらでまとめられている手腕は見事としか言いようがない
完成度の高い歪すぎる家族の物語としてあっという間に楽しめるので観ましょう
エイデン

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