けんたろう

ドン・キホーテ in Cinemaのけんたろうのレビュー・感想・評価

ドン・キホーテ in Cinema(2021年製作の映画)
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上段で人知れずギターを弾くルンペンがいやに素敵なおはなし。


しなやかでノビノビとしたキトリの演舞に心を奪われた。美しい。いつまででも観ていられる。
また女体の美と男体の美、つまるところ人体の美が音楽と相俟って歓喜を生み出す一劇一劇には、本に感嘆した。
なるほど映画館での鑑賞には相違ない。しかしバレエとは、かくも滑稽で然し美しいものだったのかと慄ずにはいられない。いつか生で観てみたいところ。

そうして去りゆくドン・キホーテ。滑稽ながらも物悲しい男の背中に、敬愛の念を感ず。