戦争は魂を殺す
サラエボ事件後、第一次世界大戦が勃発。
その後セルビアは国民の1/3を失うことに。
そんな戦況でも国民を導いていった最も愛された王と言われるペータル一世と、農民兵たちのお話。
ハリウッドではジャケのようなドンパチ・ミリタリー映画になるところを、ヨーロッパは淡々と描きますね。
その分、地味ではあるもののドラマ性もあり、人間味もあって素晴らしい作品と感じました。
1914年。
サラエボ事件が起きて、第一次世界大戦へと突入。
セルビアは農民兵も募り、ドイツ兵と日々闘っていた。
しかし同盟国から支援を受けるも、戦況は芳しくない。
そこで、国と国民を守る為、ペータル一世は撤退を決意するのだが……
この景色を胸に刻み人々に伝えよ
これを最後の戦争にするのだ
後半1時間はひたすら撤退。
兵器を担いで山を越え、山は雪にまみれ、飢えと寒さと疲れで倒れる者が続出する。
そんな状況を、国王即位時の宣誓を思い出しながら苦しんで苦しんで進む国王。
人民を守ると誓ったのに、と。
そこに、若い兵士とその母親、家族を殺された少年の話も挿入される。
ラストの海岸のシーンはノルマンディー時のよう。
130万人も亡くなったなんて。
それでも起きてしまった第二次世界大戦。
人間はなんて愚かなのでしょうね。
あまり知らない国と歴史を、またこうして映画で学ぶことが出来て良かった。
学ぶことも平和に繋がる。
世界中が世界の歴史、成り立ちを知るべきですね。