たか

鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽のたかのレビュー・感想・評価

3.5
 2018年に原作読了。太宰文学の実写化を完璧にできる訳ありませんが、雰囲気は感じ取ることができました。死んでいく人は美しく、生きていく人は醜い。鳩のように死ぬか、蛇のように生きるか、この2択を突きつけられたら苦しいですね。
 でもそれは人の心に確かに存在する世界です。そして革命や恋を悪しきものとする古い道徳、これは権力者が築き上げてきた権力者に都合の良い文化だと思います。子供の頃からそれらを青い葡萄と教えられ洗脳させられますが、それに気づいた時、選択肢は一気に広がります。
 ただ選択肢は広がっても、生き切るには蛇にならないといけません。それができなかったのは、真に貴族であったかず子の母と弟です。そしてかず子は蛇に魂を売り、生き切ろうとします。原作と混じっている部分もありますが、私はそんな解釈をしています。
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