囚人13号

十字架の男の囚人13号のレビュー・感想・評価

十字架の男(1943年製作の映画)
4.3
こちらは凄い傑作で、反戦映画っぽい構成だった。戦場神父(兼医師)という神様みたいな主人公とある兵士の信仰心の復活。詩的な言い回しで罵倒する女は流石に笑ったけど…。

ロッセリーニにおける教会や群衆は寧ろ無神教の象徴ですらあると思うんだが、人間が困窮を極め逼迫すればするほど画面に神話性が宿るというのもまた不思議な特徴で。
ラストの神父の主観から途中で明らかにカメラの機械性へ接続されていくような不思議な360°パンがかなり印象に残る。この辺りのカメラ≒肉眼の感覚がヨーロッパ一九五一年へ継承されていくのかなどと考えながら観た。
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