宮本幸信

二階のあの子の宮本幸信のレビュー・感想・評価

二階のあの子(2021年製作の映画)
4.0
本作3度目の観賞は、高円寺のシアターバッカスで2回目の上映となったSF特撮映画セレクト2022上半期アワード表彰式での特別上映で…。
そう、本作はアワード2022観客賞第2位!心からおめでとうございますです。
かつて藤子F不二雄先生が新たに提唱したSFの定義“すこしふしぎ”に本作は当てはまる作品と位置付けられるので、ノミネートされててなんの問題もありません🤗
かつて、大好きな脚本家の市川森一さんが『幽霊を怖いものとして描きたくない。彼ら彼女らは、もしかしたら後悔を残して逝ってしまってるかも知れない。だから寄り添う作品にしたい』という意味のインタビューを読んだことがある(僕の古い記憶なので正確に発せられた言葉ではありません、あしからず)。
そのインタビューは、市川さんが携わった月曜ドラマランド『夢カメラ』の頃。3本オムニバスの一編“じゃんけんぽん”を市川さんは手掛けられた。
夢カメラの原作は藤子F不二雄先生だ。

正直、自分はただ怖い・気持ち悪いだけのホラーは嫌いだ。異界から現れる者には意味を抱えて欲しいと思ってる。
『二階のあの子』は、そんな自分にピタッとハマった。
ラストシーン、手を振る二階のあの子。たまらない。
こういうの味わおうよ…、中学生・高校生にも観て欲しい。小学4年くらいからならわかるかな^_^
そして御同輩・先輩方々へ、ウルトラQが内包していたペーソスが、この作品にはありますよ。ウルトラQを知らない世代だけど、若きクリエイター小川深彩さんはちゃんと受け継いでくれてます。ウルトラQを観てる観てないは関係ありません。その魂は観てる側が感じればよいこと。

また観たいし、新たな作品にも期待します。
宮本幸信

宮本幸信