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ボー・バーナムの明けても暮れても巣ごもりのmiumiuのレビュー・感想・評価

4.8
元YouTuber、スタンドアップコメディアンで俳優で映画監督で映像クリエイターのボー・バーナムが手掛けたNetflix配信のコメディシリーズ。
エミー賞も受賞している作品。

『プロミシング・ヤング・ウーマン』を観て「ボー・バーナムいいわ!」と思って鑑賞。
が、それ以前に長編映画初監督作品の『エイス・グレード』が大好きなんだった。
『エイス・グレード』を観たときに「この作品を作った人は信頼できる」と思った、その感覚がさらに強まった。


コロナ禍のロックダウン中に企画して、ボー・バーナムが自宅で一人で作ったコメディショー。
基本的に自宅の一室のみのワンシチュエーションで、監督・脚本・音楽・出演に加え、照明などのスタッフワークも1人でこなしている模様。

ロックダウン中の撮影ということで、リモートやスマホ自撮りのあの感じ?
と思いながら観てみたら、全然違う。
画面の構成力や演出、ライティングが、1人でやっているとは思えないクオリティの高さでビックリ。
普通にクールな映像でカッコイイし「照明、そうやって使うの?」とオープニングから笑いつつ度肝を抜かれた。

基本的に「人を楽しませるためのコメディショー」として作られているけれど、音楽もハイクオリティで、サウンドトラックは普通に格好良い。
曲が多彩で普通にリピートして聴いてる。


いかにもお笑い、な邦題がついているけれど、原題は”INSIDE”。
屋内に籠っているのに加えて、自身の内面に向き合う内省的な作品でもある… ということで、コメディなのに深い。
もちろんネタとして作り込んでいる前提ながら、「コロナ禍が続く中で30歳になってしまった」自身の心境など、本人の本音なんだろうな… と思える内容もあって興味深い。

自身のこともネタにしつつ、揺るぎなく徹底した客観性も持ち合わせているよなあ、というのがボー・バーナムの作品に感じる印象。
自分の見せ方をよく分かっているし、誤解を招きそうな過激な表現について「コメディだから」と流さずにきちんとフォローを入れるのも、他の作品と同じ。
観れば観るほど信頼感が増すのに、まだ30代になったばかりの若さなのもすごい。
今後どんな作品を発信してくれるのかも含め、とっても楽しみ!
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