このレビューはネタバレを含みます
[ エレファント ][ フォールアウト ][ TSUNAMI ]、或いは海外のニュースなんかで銃乱射事件の映画や映像を観たりするけれど、本作の緊張感はかなりだったと思う。胸の辺りが凄くざわざわした。
もう既に何者かが銃を発砲して回っている場面から始まり、逃げている女性エヴァが講堂の物置？みたいなスペースから追い出され、仕方なく中間辺りの机の下に隠れる場面からほぼずっとそこだけで展開する。
警察への通報、友人への通話で犯人や別の友人、そして通話していた友人自身が撃たれる音を聞き、涙や鼻水に塗れて怯え続けるシーンだけを映し、環境音は銃が乱射される音だけ。
そして講堂に入ってきた別の女子がエヴァが最初に追い出された男にまた追い出され、声を潜めているとそこに友人との通話で知った犯人の生徒が入ってきて、そいつが犯人だと知らない女性は隠れている男に声をかけてまとめて撃たれる事になるのを、隠れて声を出さないように手を噛みながら震えてやり過ごす。
そして母親に電話をし、最初は忙しそうに相手にしない態度だった母親に もう会えないかも知れない、大学で銃乱射がおきている と話し出す。恐らく父親を亡くしたかで母子家庭になり、忙しい母親に顧みられていない事を不満に思っていた話なんかをする。
そして辺りが静かになり、電話を切って講堂を出ていくのだけれどもエンディングの間も映像が流れ続けていて最後までドキドキしてしまった。今にも パン！て聞こえてくるんじゃないかと思って。
最初から最後まで緊張感が持続するのに加え、圧巻の演技が素晴らしかった。
突然誰かがやってきて、毎日過ごしていた場所で友人や知り合いの命をどんどん奪っていく恐怖 って日本ではなかなか想像し難いけれど、なんと恐ろしいことか。
