電気羊

スーパーマン III/電子の要塞の電気羊のレビュー・感想・評価

4.0
これは1作目、2作目に比べると毛色の変わった時代を先取りしたSF作品。現在では世界を動かす中枢であるコンピューターであるが、映画公開当時は早過ぎた設定の天才ハッカーとコンピューターで構築された電子の要塞がスーパーマンの敵となる。

多国籍企業の社長は、自社のコンピューターに介入した天才ハッカーの社員を仲間に引き入れ、世界の市場や気象衛星を裏で操作するためにコンピューターのマトリックス世界に介入していく。

1,2作品に比べてクラーク・ケントの設定も若干変わっており、同窓会に出席するべく帰郷するが、そこで当時の高校のヒロインで現在はシングルマザーの同級生の女性と再会。時間を逆行させてまで救ったロイス・レインそっちのけで、その女性に入れ込んでいく有様。

気象衛星を乗っ取り世界の農作物にダメージを与え、自社の保有する農場の農作物を高嶺に吊り上げようとした企業であったが、スーパーマンのアナクロなレーザービームや超能力によりその異常気象も復旧されてしまう。
社長とハッカーは多額の利益を生む自分たちの計画を邪魔するスーパーマンを封じ込めるため、スーパーマンの弱点であるクリプトナイトの生成を試みるが、完成したのは不完全なクリプトナイトだった。

軍の式典に出席したスーパーマンに、軍人に化けたハッカーが不完全なクリプトナイトを記念品としてプレゼントする。
その結果、スーパーマンの体調には変化がないものの、精神にダメージを与えスーパーマンはピサの斜塔を真っ直ぐにしたり、陸上競技大会の聖火を吹き消す、石油タンカーを襲撃、バーで飲んだくれたりと挙動不審に陥る。

社長の次の標的は世界中の石油独占する油田とタンカーの制御コンピューターへのハッキングだった。
ハッカーはハッキングの見返りに、自分で発明したコンピューターの電子の要塞を構築する。
やさぐれ落ちぶれたスーパーマンだったが、自分を信じる子供の声を聞きやさぐれて分裂した自分と対峙することでようやく自己を取り戻す。

スーパーマンはクリプトナイトにより自分を狂わせた、社長とハッカーと対決するべく、電子の要塞へと向かう。

社長の操作する様々な電子兵器とクリプトナイトにより死に瀕するスーパーマン。
ハッカーはスーパーマンの死を望まず、要塞の運転を停止しようとするが、高度なAIは自意識に目覚め、全米の電源供給を独占し、自分の敵となるスーパーマンへのクリプトナイト照射を再開。人間を取り込みアンドロイドへと改造していく。

クリプトナイトの照射により、無力化されたスーパーマンは電子の要塞に取り込まれ、一旦は敗北したかのように見えたが、強酸液体をコンピューターに注ぎ込むことで電子の要塞を破壊する。

スーパーマンは、クラーク・ケントに戻り、故郷の女性へとアプローチする。女性はクラーク・ケントの口利きによりデイリープラネットに就職。
かくしてクラーク・ケントとロイス・レインと故郷の女性の三角関係が成立したところでエンド。

マジでそれで良いのか?
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