フッカー

リバー・ランズ・スルー・イットのフッカーのレビュー・感想・評価

4.1
文体の綺麗な小説を読んでいるような語り。そして作品に漂う美しさ。

これ驚いたんですが、ロバート・レッドフォード監督作なんですね。
こんなに綺麗で繊細な映画撮る人なんか~♪

第一次世界大戦頃のアメリカ。
父の教えが強くその家を支配する。
家のなかで強く根付くのは、牧師である父が信仰する宗教と、そして釣り。

兄ノーマンと弟ポールの子供時代は自然と共にある。特に川、そこで父と行うフライフィッシング。兄弟だけで行うフライフィッシング。

まずあんなに流動的に釣りをするフライフィッシングなんてのがあるの初めて知った!

竿と糸の描く柔らかな軌跡。
水面を反射する光りも加わり見ていて美しい。
美しいのは絵的なものだけでなく、そのリズム。父から教わる四拍子。

この釣りを通して、兄弟の絆が伝わってきます。幼少期は二人ともわんぱく兄弟ですが、成長と共に表れる性格の差異。素質の差異。
弟ポールを羨む兄ノーマンの気持ち。
全く違う人生の歩み方。

多くを語らない映画ですが、二人の表情に色んな気持ちが出ています。

ド田舎村を出て当時では珍しいであろう学位を修めた兄。
人は良いが堅物で面白味に欠ける。

一方奔放に生きながら、地元の新聞社に勤め、夕方になると相変わらず釣りを続け、幻の大魚を狙う弟。

二人の家庭内での扱いが違う嫌な空気を感じながらも、
「二人で釣りに行こう!」という弟ポールのあの顔とそれを受けて嬉しそうにする兄ノーマンの顔が堪らなく好きです。
彼らの絆が滲み出てる。

弟ポールが川と向き合いながら、一つの芸術のように、釣りざおを扱う姿が美しい。綺麗。

父と二人の息子との間の確かな愛情。
やっぱり三人で釣りに出掛けるの凄く好きですね。
ポールが大魚を狙う姿を、兄ノーマンと父が笑顔で眺めてるシーンが凄く好きです(*´ω`*)
三人で川縁で笑顔で話してる姿を見ると良かったなあって♪

そしてフライフィッシングを通して完成された芸術品。輝いてる。でも儚い。永遠には続いてくれない。

それでも
「川は変わらず流れてる」

ダジャレじゃないよ?笑

釣り針を変わらず投げ入れるシーンがとても印象的。好きだなあ。心情的に汲み取り切れないところもあって(特に弟側)、近い内にまた見ると思います。そしたら点数変わるかも。

また長くなっちゃいました笑
若いブラピ、確かにレッドフォードに似てますね。お茶目な顔しちゃって笑