たかっし

リバー・ランズ・スルー・イットのたかっしのレビュー・感想・評価

4.4

人の世は芸術と違い永遠はない。
フライフィッシングの天才でありながら、ギャンブルで破滅していくポール。
若く美しいブラットピットのいたずらっ子のような微笑みと危うげな脆さが冒頭の言葉を見事に体現している。
おれはモンタナにいるよと言う時の微笑みには(その後の彼の運命を知っているだけに)泣いてしまった。

約30年振りに見て、これ以上に感銘を受けたのが冒頭と最後に現れる年老いたマクリーン。
弟も、父も奥様もこの世を去り、変わらないモンタナの川の流れの中で淡々とフライフィッシングをする姿がこの作品の全てではなかろうか。
たかっし

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