イチロヲ

売春グループ 欲情する人妻のイチロヲのレビュー・感想・評価

4.0
手帳の落とし主を捜し求める青年(鶴岡修)が、関連人物の下半身事情に介入していく。「知りすぎた男」になった青年の探索劇を描いている、日活ロマンポルノ。ワタナベプロダクション製作。

下請け作品だが、本隊の常連男優・鶴岡修が招聘されている。ピンサロに勤務するヒロイン(渚りな)の心情を汲み取ることができない、イージーゴーイングなダメ男を熱演しており、「悶絶!!どんでん返し」(神代辰巳監督)に比肩する存在感を発揮している。

「手帳の持ち主を捜すべく場所を移動する→その場所のセックス劇に取り込まれる」を反復させていく展開と、ヒロインとの同棲生活をテーマにした恋愛模様。この両シークエンスを交錯させながら、不安定な男のダメっぷりを描いていく。

当時の歓楽街と性産業が映像に収められているため、(トルコ風呂規制後の)ソープランド世代の人間にとっては、興味深い映像が連発する。「トルコ」の文字が羅列している、街角の風景だけでも異次元世界の領域。
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