子供の頃に見た時はヒステリックな姉の印象しかなかったのだが、今観るといろいろ考えさせられる内容だった。
ハッとさせられたのは、絶対的な美の肯定。
弟のポールは級友ダルジュロスの美しさに惹かれ、彼によく似たアガートに恋焦がれる。(それどころか部屋に貼ってあるピンナップはみんなダルジュロスに似た顔)
一般的には浅はかなこととされているが、中身よりも美しさに惹かれるのはある意味、純粋で否定しがたいことなんじゃないかな、と私も思う。
まあ、ポールのがっしりした大人の体に子供の精神が宿っているのは不気味だったけれど。
エリザベートにとって弟はライナスの毛布だったのだろうか。ポールがせっかく抜け出そうとしたぬくぬくとした生温かい城をエリザベートは出て行くことを許さなかった。もう行く当てがなかったから、あの末路は必然だよねと思う。
フランス語ってささやくように話す美しい言葉だと思ってたけど、エリザベートのけたたましい話し方でだいぶイメージ変わるもんだな。