あしからず

恐るべき子供たち 4Kレストア版のあしからずのレビュー・感想・評価

4.3
コクトーとメルヴィル/文学と映像の美しき融合。ここまで2人の親和性が高いことに驚き(コクトーがやたら口を挟んだにしても)。石膏像のようなニコール・ステファーヌとエドアール・デルミ、子ども部屋と城の見事な美術、バッハの音楽、俯瞰のカメラが姉弟の願望を甘美な悪夢へと物語化する。弟と永遠に子どもでいる事を望む姉と愛する人の面影を追って部屋から出ようとする弟。黒い夜にみる雪と少年たちの残像があまりに幻想的。しかし夢の場面などほぼ「オルフェ」で、たとえメルヴィルが寄せたにしてもコクトーの支配力が強すぎて笑う。またメルヴィルが言うとおり姉弟2人は年齢のイメージが異なるけどニコールが素晴らしかったので途中から気にならなくなった。
改めて文字(コクトー)→映像(メルヴィル)→漫画(萩尾望都)の流れが完璧すぎて脱帽。
あしからず

あしからず