こぅ

田舎女のこぅのレビュー・感想・評価

田舎女(1953年製作の映画)
4.4
80/'21

マリ男・ソルダーティ監督による、夫婦の【メロス&ドラマ】。

OP、開き窓をバックに主演女優のジーナの名前が真っ先に
ドーン!次にタイトルがドーン‼︎

普通に見えてしまうが役者を一番に立てる、邦画では考えられ
ないスタート。

そこから戸を開く女性、カメラは家の中に侵入〜ピアノを
奏でる女性(このソロピアノがそのままテーマ曲)〜
カメラは再び外に歩き出す、って一連の長回し撮影に先ず
掴まれる。が、タイム的(限界)には不満で惜しまれる。

本編中も適所に長回しで、芝居を見せてくれるスタンス。

ジェンマ(ジーナ・ロロブリジータ)の夫であるフランコ教授
が、ローマに招聘されると言う事で、普通なら喜ぶ筈が、
前祝いの晩餐の場で、同居人エルヴィラが喋りまくる最中、
ジェンマの面持ちは、重い、、見る見る形相が変わり、ついに
はテーブルにあったナ◯フを手に取り、◯◯コ状態になり
大騒ぎに…。

何故、こんな事に⁈⁈のサスペンス事情は一先ず置き、数年
前のジェンマにスポットを宛てた 長い回想 に入る〜

構成は、
⑤現在→①元恋仲男→②ジェンマの母親→③夫フランコ→
④ジェンマ本人→⑤現在に回帰でクライマックス。
その合間合間には現在に戻り、時間軸も前後せず進行も続き
から各人へとスムーズに【バトンタッチ】されてゆく。

それぞれが【わだかまり】を持っているのが特徴。
それは夫婦の2人でさえ、、

「自分は妻を愛せていたのだろうか」

「私は貴方(夫)に相応しく無い妻」

クライマックス〜序盤の衝撃事件と夫婦愛の行方を見事に纏め
上げて帰結させ、誰もが【スカッ】とするラストを用意。

見事な脚本。


*本作でも魅力的だった主演のジーナ(26)は、イタリア
の【若尾あやや♡】。
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