イチロヲ

激撮!日本の緊縛のイチロヲのレビュー・感想・評価

激撮!日本の緊縛(1980年製作の映画)
4.0
女性に対する凌辱行為を生き甲斐にしている陸軍将校(堺勝朗)が、庭師(下元史朗)の恋人(日野繭子)を強引に孕ませてしまう。サディズムに狂わされた人間たちの人生模様を描いている、新東宝配給のピンク映画。ワタナベプロダクション製作。

「なぜ人間は、非倫理的な衝動に駆られてしまうのか?」という、深層心理について考えさせられる作品。人間の暴力性をテーマに扱った、初期の若松孝二作品にも相通じるものがある。

太平洋戦争前夜からドラマが始まり、終戦直後の混乱期、現代の夜の街へと変遷を辿っていく。複雑怪奇な性衝動に翻弄されるヒロイン役を日野繭子が好演しており、将校との生々しい緊縛プレイを妻役の丘尚美が魅せてくれる。

ドラマ自体はハチャメチャにぶっとんだものだが、サディスティックな将校側もまた「戦争に狂わされた人間」というふうに解釈することが可能であり、何ともやるせない気持ちで一杯になる。ガイラ脚本のケレンミを楽しむことができる逸品。
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