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実録エロ事師たち 巡業花電車の一のレビュー・感想・評価

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殿山泰司が浅草を歩くだけで様になる素敵タイトルバック。まず前半は武智豊子の朝顔太夫エピソード。吉原に埋めた骨の上で男たちに囲われてザーメンを浴びる朝顔の苗が、一晩のうちに小便の向こう側にその花をのぞかせる。殿山が花びらを撫でながら「さびしくなるなぁ しばらく旅に出てみるか」と呟くと次のシーンで鳴っている電車の警笛が食い気味に聞こえてくる。素晴らしい。脚本・田中陽造。後半は男女4人のどさ回りエロ巡業旅に。夜這いの声を聞きながら煙草をふかして吉原を思い出す殿山に星まり子が「抱いて」と甘える場面も何だかとても良くて、前作にあたる『実録エロ事師たち』同様にエロと可笑しさと心寂しさが混ざり合っていて感動する。
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