あーてぃちょーく

アリスとテレスのまぼろし工場のあーてぃちょーくのレビュー・感想・評価

3.0
愛情を、他人を落とすために利用してはいけない。

田舎町に暮らす14歳の主人公・菊入正宗(榎木淳弥)が友人たちと勉強会を開いていた夜、町の製鉄所で爆発事故が起こる。同時に、夜空に青白い亀裂が入ったかと思えばまばゆい光に包み込まれる。どこか異変を感じつつも過ごしていた日常で、正宗は密かに思いを寄せる佐上睦実(上田麗奈)に誘われ製鉄所に忍び込む。そこには言動が見た目にそぐわないほど幼い少女(久野美咲)の姿があったーー。

セカイの秘密をやがて知ることになる、という展開は好き。そのギミックや描写のされ方も観たことがないものだったので、そこには儚さや美しさを感じた。

しかし冒頭で述べた問題があり自分は心からは楽しめなかった。引いちゃった、、。睦実がラスト近くで五実にかけた辛い言葉。そんな言う必要あるか?愛情を他人、ましてやその人にとり大事だったはずの人を落とすために利用していいものではない、と少なくとも自分は思う。

セリフではなく作画の芝居だけで細かい感情を伝えたり、こんなセカイでも好きなんだという舞台を利用した思いの伝え方だったり、良い点はあったのだが上の点が残念でならない。