あぶりかんぱち

アリスとテレスのまぼろし工場のあぶりかんぱちのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

ある日を境に外の世界と断絶されてしまった街で「変わることなく生きること」を強制された子供たちが主人公の物語。

作品通して「工場」「トンネル」という舞台装置がいい味出してました!この2つが『子供が出来て、産まれるまで』のメタファーになっているんだな、と。
それ以外だと見た目子供の登場人物たちが車を運転することで、誰かと対話する空間作りの役目を果たしてたのも良かったです。

絵が安定してたからか、作品全体見ててもダレる感じがほとんど無くて、細かい小道具の描写にも丹念に作られてる感じがしました。それでもって、動きの部分は力入りまくったキスシーンを筆頭にまあよく動く。MAPPAってブランドの賜物なんだろうか…さすが。

1番の肝は「私が死ぬ時に最後に思い出すのはあなたじゃない」と子供に告げるところかな、と思います。子供と親の関係はそれはそれで尊いのだけど、その子供も2人の人間が好き合わないと産まれない命だという以上、2人の間にある繋がりが最も強い繋がりなんだ!と勝利宣言のように語り聞かせるシーンが印象的でした。んで、その後の「きっとあなたにもそんな相手が見つかる」という母親らしいフォローも素敵だった。

『6つの罪から1引いていつみ』の意味、『神機狼に喰われた人がどうなったか』、『サクッと語られた睦実の母親の人となり』『お腹に赤ちゃんのいるお母さんのそれから』とかは気になるところ。ここはサイドストーリーという形とかで回収できると見る側としては嬉しいな〜
岡田麿里さんに期待します。

総じて、かなり完成度の高いアニメ映画だったと思います。続編を劇場版でやるパターンもいいけど、単発でしっかりと面白いものを作れるのは凄いと思いました!
あぶりかんぱち

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