一丁目

アリスとテレスのまぼろし工場の一丁目のネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

岡田麿里映画は全体的に好きな作品が多いので今回も見に行きました。
今作も面白かったですが、人は選びそうですね。

印象的なのはあまりわかりやすく説明しない序盤の展開。
時間も空間も閉じ込められた世界でまず大抵の話はこぞって脱出することを目指そうとするけど、時間を一旦飛ばしてそれを受け入れ始めた主人公たちの日常から始まる。
そうした鬱屈した箱庭世界でどうしたら生きていけるか、愛があれば生きていける(?)ということを表現するためなのかなと思いました。

作画と背景がまたすごく丁寧で良かったです。
キャラがすごく可愛くて粗がなくて石井百合子さんの描くキャラは好きになってしまいますね。髪の毛はさらさらしているし、色気があって肉感もあって。
光の表現、色味もきれいで夕日のシーンなど温度も感じられそうな光が当たっている感じなども惚れ惚れします。
夢の世界なのでビジュアルが嘘ついたら本当に嘘にもなってしまうと思うのでこの画面の説得力あっての映画ですね。

好きなシーンで言えば
睦実が五実に勝ち誇って正宗の恋心は私のものと言うシーン。
未来はあなたのものよ、けど正宗の心は私のもの。
親として現実世界に返してあげたい気持ちもあるけど、娘に対しても女性の恋の引かないところが出てて良かったです。
また終わり方も爽やかで好きでした。
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