テルヒサ

アリスとテレスのまぼろし工場のテルヒサのレビュー・感想・評価

4.8
例え変わってしまうとしても、生きていく。
まぼろしの世界の秘密とその真相、という世界観重視のストーリーではなく、キャラクターのそれぞれの気持ち、お互いの関係がメインのストーリーだったので、一人一人にドラマが存在していて、見応えがあって満足度が高い良作。もう少し時間経過や世界設定の説明の方法があった気もするが、キャラクターを描くボリュームを優先したなら納得。
画面としては、ゲームセンターのライティング、いつみの表情、エンディングが良かった印象。キャラクターのデザインが繊細で終始見やすく綺麗ではあったが、もっと脚本上の感情に合わせて表情に幅があっても良かったのでは。
最初のむつみの意地悪キャラはなんだったのか。時間が止まって、退屈だったから取った行動なのか、正宗が惹きつけられる設定だったのか。
神機について、運ぶのも神機だろ、というロジックはその手があったか、という感じ。
青春時代特有の自分が変わることへの感情とか、恋愛感情とか、大人に抱く気持ちがうまく世界観やストーリーにマッチしていて良かった。
世界の秘密を知ってるけど妙に怪しい人物は、一応理にかなっているけどわがままで、主人公達は一度納得するけど反発して自分達の行動をとる、という流れになるのは自然だし魅力的。
タバコの描写が妙にリアルだった。
岡田麿里作品をこれからもっと見たい。
テルヒサ

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