坂

アリスとテレスのまぼろし工場の坂のレビュー・感想・評価

2.5
最初から最後まで全然意味わからんかった。
何よりも終盤まで主人公に明確な目的がないせいか、物語が終わりに向かう力と言うか、原動力が決定的に欠けていた。
変わらない絶望だけが満ち溢れた世界で少しずつ状況が悪化していく日常物を見さされるみたいな。
それはそれでホラーとかなら緊張感や不気味さを入れ込んで面白く出来るんだけど、この映画は別にホラーでもないし、ただただ起伏の無いドラマが一時間ほど続く印象がありとにかくきつかった。
終盤の方はようやく主人公にも目的が出てくるけどその頃には見てる側は置いてけぼりで勝手に盛り上がってる感がすごくて、映画としては非常に退屈だったと思う。

もちろん全ての映画がエンタメ的なハリウッド脚本構成のシナリオの運びである必要はないのだが、この映画に関してはドラマも設定もかなり中途半端な印象を受けた。
そもそも何がしたかったんだこの映画???で終わった印象。
テーマは伝わってくるんだが普通にドラマが面白くないので全く興味のない街頭演説を強制的に眺めなければならない状況に似てる。なんか言ってるなぁみたいな。

テーマを深く刺すために登場人物にもっと共感させて欲しかったし物語にも没入させて欲しいと思った。
そういう意味ではテーマばっかり先行している印象。

作画はとても良いだけに何だかなぁ…な作品でした。
坂