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第8日の夜のkuuのレビュー・感想・評価

第8日の夜(2021年製作の映画)
3.5
『第8日の夜』
原題:제8일의 밤
製作年2021年。 上映時間115分
ホラーサスペンス韓国映画。

7つの飛び石の橋を渡って苦痛に満ちた地獄を呼び寄せる
『目覚めてはならないもの』の封印が解けるのを防ぐために繰り広げられる8日間の死闘を描く。。。
公式説明短っ🥺

仏教の伝説(金剛般若経)に取り憑かれちまった考古学者キム教授は、
『赤と黒の目』と呼ばれる伝説に記述されている目が封印された容器(舎利容器)←実際、目を封印しとんのなら舎利容器使っても意味無いとは思うねんけどなぁ。 

余談ながら(本作品と仏舎利は関係ありませんので悪しからず)、
仏舎利てのはお釈迦さんの遺灰。
お釈迦さんは、実際には遺灰に重きを置いてなかった(諸行無常がお釈迦さんの根本思想の一つやし)し、(お釈迦さんの教えには遺灰を祭り上げ先祖供養しろなんて一切云ってない。多分、その考えは、後に儒教とか他の教えと融合した考えで)また、もし仏舎利が残ったら争いを生じる恐れを懸念したことなんやろなと小生は推測する。
せやし、お釈迦さんはその時代の釈迦族の風習で河に流すように云ったそうやけど、弟子達が残した。←忍びなくて残した。
悪く云えば教えに背き勝手に残した。
その後、お釈迦さん入滅の地クシナガラの統治部族マッラ族は当初仏舎利の専有を表明し、仏教を国教とする周辺国との間に仏舎利を巡って争いが発生する事態となったのは云い付け守らんからやん。

扨、話しは戻り、
キム教授は、目の入った舎利容器を長年の探求しパキスタンの砂漠で見いだす。
遂にその
『目』を見つけ出した教授であったが、よくある偽造と云う烙印のレッテルを張られて世間から叩かれる。
教授は落胆引退状態。
しかし、発見から14年後のスーパーブラッドムーンの夜、『目』を復活させるため、呪術的方法を試してみる。

未知のことを思い煩い悶え苦しむことを煩悶と云う。
煩悶を持つ者の目は光を失い黒い。
過ぎたことが忘れられず、嘆くことを煩悩と云う。
煩悩を持つ者の目は怒りで赤い。
形のないその2つはずっと人々を苦しめてきた。
即ち煩悶は黒く、煩悩は赤い。
再び1つになればこの世は煩悩と煩悶の鎖に縛られ、怒り絶望する世になる。
永遠に続く闇の世。
それこそが
将に生者と死者のどちらも地獄。

お話のプロットは分かりやすいと思いますが、主要メンバーのキャラが立ちそうで立たない中途半端は否めません。
せめて主要キャラの和尚さんだけでも背景を深く掘り下げてくれたらバッチグーやったのにって思いました。
また、8日の1日1日をもう少しインパクト大にすれば緊張感がでるんでしょうが、映画の限られた時間内では無理が生じて、むしろ映画ではなく、仏教の『空』を探求してる小生としてはドラマでじっくり描いてほしい内容でした。
ホラー慣れされてる方には十分に満足行く作品とは云えないものの、私的には怖くてビビる話で、仏教系ホラーでしたので興味深く視聴しました。
映画の終わりの方で和尚さんが唱える呪文は
般若心経の
羯帝羯帝波羅羯帝。 波羅僧羯帝菩提僧莎訶。
空海さんの翻訳では(実際原則として呪は訳さない)
往くものよ往くものよ、彼岸に全く往けるものよ悟りよ幸あれ。

災害でおなくなりになられた方
先に往かれた方々に
悟りよ幸あらんこと祈念します。                   若輩者
kuu

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