みゆきち

モガディシュ 脱出までの14日間のみゆきちのレビュー・感想・評価

4.2
タイトルだけでなんとなく見ようと選んだんだけど、韓国映画だった。
字幕版にて。実話ベースで作られた作品とのこと。

場所はソマリアのモガディシュ。モガディシュってどこ?って思ってたけどアフリカだった。
モガディシュの韓国大使は国連への加盟権を目指しアフリカ諸国へのロビー活動に励んでいた。韓国よりも早い段階でアフリカ諸国との仲を温めてきた北朝鮮も国連への加盟権に奔走しており、両国の妨害工作はエスカレートするばかり。そんな時、滞在するモガディシュで、ソマリア現政権と反乱軍との内戦が激化してしまう…

韓国と北朝鮮。
同じ言語を話し、もとは同一民族だけども、絶対に行動を共にしない・出来ない国同士。罠かもしれない、相手を信じていいのか、不安を抱えつつもモガディシュを脱出するために皆で命を懸けて行動する。

命は大事、家族は大事、国も大事、思想も大事。それは相手だって同じ。敵も味方も皆同じ。
でも、目の前に同じ思いをしている敵がいて、一歩間違えれば自分も処分されるかもしれない、それどころか人数増えたら自分たちの身だって危ないのに、自分だったらこんなことできるかな…

はじめのあたりは、韓国大使がなんだか大使と言う割には仕事ができるようにも思えないしのほほんとしてるしその辺にいそうな間の抜けたおじさんに見えてたんだけど、話が進むにつれてどんどんかっこよく見えていった。とても人情味にあふれる人なんだよね。そして大使なんて仕事任されてるんだから、当然頭だって回るのよね。

最後のお互いを思いながらも一度もお互いを振り向かないシーンは本当に良かった。振り向けない、振り向いたら相手に迷惑かかるんだよね。奥様たちも子どもたちがお互いを見ないように計らいながら絶対に振り向かない。その胸中を思うと切ない。

戦闘シーンもリアルですごかった。あの中を車で駆け抜けてのアクションは、見てる側も手に汗握る緊張感でいっぱい。しかしそんななかでくすっと笑うシーンもあって。
あっという間の2時間だった。
韓国映画ってやっぱスゴイなと思わされる作品でした。
みゆきち

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