現代の倫理観で描写されるパワハラ旧世代軍曹の異動先は音楽隊。
この映画は素晴らしい、成長における対比、そして柔和すべてが丁寧に描かれている。税金でやる音楽に意味はあるのか、そこに答えを出している
離婚し、母は認知症、娘とも上手く行っていないパワハラ父親は刑事で同じように横暴的で。
最初はカメラが主人公サイドなので、気持ち・判断基準が主人公側に寄りすぎてしまうのかと思いきや、そうでもなかった。ちゃんとフェアに見ても、客観的に見ても成長を感じ取る事ができた。
音楽隊をずっと長年応援してくれたお婆ちゃんがテレアポ強盗で死んだ時、手向けとして慰安室で演奏した際に、音楽隊って、音楽って必要なんだ、大事な要素なんだって僕個人の感想としては感じた。
刑事で音楽隊という立場にも、最後にパートが違う同士でセッションすればいいじゃないか、と相互理解も示す、そして音楽に対する尊敬やリスペクトも垣間見える発言で、精神的な成長を強く感じた。
もちろんハラスメントは明確な被害者もあり、必要悪ではないのだが、家庭内や職場でハラスメント→懲罰を受けた者はそこで人生が終わるわけではなく、続いていく。
そういった時に、こういう映画に出会って欲しい。ちゃんと反省して前を歩こう、という映画だった。