すいかのたね

嘘喰いのすいかのたねのネタバレレビュー・内容・結末

嘘喰い(2022年製作の映画)
1.8

このレビューはネタバレを含みます

原作ファンです。まあそんなに期待はしていませんでしたが、やっぱり酷かった…。中田監督はちゃんと原作読んだんでしょうか?面白いから読むのをお勧めしますよ!ギャンブル漫画ってジャンルだけじゃなくて、全部の漫画を総合しても上位に来る面白さだと思います!!

で、本作ですが…改変が酷い。原作をリスペクトしてたり、映画として面白くなるなら別に構わないと思いますが、本作は単に酷いです。特に酷いのは鞍馬蘭子と佐田国一輝、こいつらは完全に原作とは別キャラです。

鞍馬蘭子
原作では知略と胆力で暴力団を束ねる女組長ですが…映画ではただのべらんめえ口調なギャルです。知性の欠片も感じさせず、速攻で嘘食いに女として落とされ、坑道ギャンブルでは組の有り金5億を全額嘘食いに「発破」として賭けます…ファンは怒っていいと思います。終始ただの馬鹿として描かれてました。かなり酷い改変。

佐田国一輝
本作のボス的キャラ。原作では革命家気取りのキャラですが…映画では何故か悲しい過去のある科学者になっています。んで、賭郎勝負をする意味がよく分かりません。原作だとクーデターに金が要るという話ですが、映画は何がしたいのかよく分かりませんでした。映画内は中盤悲しき過去への復讐は終わってたし、何がしたかったの佐田ちゃん?目蒲もどこに惚れたんだか分らない…。世界平和で貘とシンパシー感じてたりして本当に勘弁して欲しかったです。原作にある「俺はまだ何も失っていない」のシーンで鞍馬蘭子と一緒にバックに映りそうな勢いでした…。仮面を被った革命家じゃないので、それを剝がされて死ぬシーンは無いです…ダメだろそれじゃ…。

あと1点貘は絶対にそういうことやらないだろという改変が、崖っぷちのババ抜きで運を天に任せて「上と下どーっちだ?」ってシーン。佐田国が坑道のカメラを利用して、背後から貘の手札を盗み見てることに気づいたので仕掛けたギャンブルですが…いやネタが分かっててそんな負けそうな賭け絶対やらないから。佐田国が上か下を宣言した後に、佐田国の見えてないところでババに入れ替えるシーンとか入ってれば納得できそうですが、映画だと「盗み見えないための防御」にはなってますが、ババ抜きの引きは普通に運任せ…ダメでしょこれは。

他にも色々…

廃ビル脱出ギャンブルは私有地の庭に改変
お陰様で貘さんは元気に動き回り、ロデムの攻撃も躱せるまでになりました!凄いね!!密閉空間じゃないので、脱出を妨げる仕掛けが雑だったり、脱出を妨げる兵隊の倒し方も雑です。ロデムの本名マルコも「嘘食いが命名」したことになってたり、マルコの掘り下げがえらく甘かったり佐田国の濃厚さとは段違いに軽い。廃ビルの接収もできないのでアジトは鞍馬蘭子宅になります…うーん…。

バンバン銃ぶっぱなし人を殺す立会人
確かに立会人は粛清という方針になれば人を殺すことはありますが、映画始まりの屋形越え、貘の手配した飛行機を飛ばさないため平気で一般人?を殺します…ダメでしょそういうのは。全く完璧の傍らに立っていません。目蒲もバンバン殺してましたが、掛け金はどう搾り取ったんだ?

ギャンブルのネタが分からないことを口に出す立会人
上記と連動ですが、立会人も佐田国の快進撃のネタが分からず「一体どうやって!」と狼狽します。そういうのは心で思っとけ、口に出したら格が下がります。

更にはラストの「ハンカチ落としとか小学生かよ笑、でも最高!」みたいな台詞
原作リスペクトがあればこのセリフは出ないでしょ…。ちゃんと原作読んでくれよ。

ファン目線で見ると一から十まで気に食わないことだらけです。
ただ主人公の横浜流星さんのビジュアルと演技は良かったと思います。でもシナリオと台詞が結構アレなので台無しになっていたと思ってしまう…。

もし続編あるなら迫先生がシナリオやって、エアポーカーをやりたいと仰られていました。私もそこは非常に同感です!同感ですが…本作のデキだと、続編いける可能性はちょっと厳しいんじゃないでしょうか…。
すいかのたね

すいかのたね