柿トマト

マッシブ・タレントの柿トマトのレビュー・感想・評価

マッシブ・タレント(2022年製作の映画)
3.0
パロディに収まらない、監督からの熱いラブコールが炸裂

オスカー俳優であり、かつてはヒット作にも恵まれていた大スターであったニコラス・ケイジが、B級映画やイロモノ作品に出演するようになって久しい。しかし、彼が出演する最新作『マッシブ・タレント』では、監督からの熱烈なラブコールが炸裂している。

ストーリーは、かつての大スターであるニコラス・ケイジが、仕事もなく家族からも疎まれているところに、スペインの大富豪ハビから100万ドルのギャラで誕生パーティーに出席する依頼を受けるところから始まる。当初は渋々と参加するケイジだったが、ハビと意気投合し、友情が芽生える。しかし、ひょんなことからCIAに接触したケイジは、ハビの裏の顔を知ることになる。

本作では、ニコラス・ケイジの過去の出演作品から多数のパロディ要素が登場する。特に、『フェイス/オフ』の黄金2丁拳銃が登場する場面は、大いに笑いを誘う名場面。また、こういった大ヒット作はもちろん、地味めの作品「不機嫌な赤いバラ」「コレリ大尉のマンドリン」にも触れてくれていて個人的に嬉しかった。

また、本作では大富豪のハビとの男同士の友情要素も描かれており、何より終盤の展開に描かれる、監督がニコラス・ケイジに込めた「大きな才能は、スーパーヒーローを超えている」というシンプルかつ熱いメッセージがとても心打つものに感じられるようになっている。
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