このレビューはネタバレを含みます
ポーランドに行くので見なければならなかった作品。
ここまで深く、アカデミー受賞を納得した作品はそうそうない。
当時のリアルさをいい意味でそのまま描いていて、実話だからこそよりどストレートに現実を突きつけられる感じ。こんなに酷かったんだ、こんな時代があったんだ、なんて酷いんだ、と何度口にしたかわからないほど本当に残酷だった。
ただ、こういう内容の作品はなにも脚色せず、何も綺麗に映そうとせず、いかにリアルに伝えるかが大切なのだと思う。負の遺産こそ絶対に現代に生きる若者が知らなければいけないものだから。
主演のエイドリアン・ニコラス・ブロディの圧巻の演技。
ラストのドイツ人将校とのピアノのシーン、ほぼ食料も食べてなく歩くことですらやっとのシュピルマンの、力強い一音一音が胸にズキズキと響いてきた。本当に素晴らしかった。音楽は共通言語であると再確認できる。
ラストのドイツ兵の洋服を着たら殺されそうになっていたところ、
今度はまたこうやって迫害が生まれていくんだと
繰り返しなんだなあと
思わざるを得なかった。
本当に本当に素晴らしい映画でした。