絶望の中で希望を諦めず生き抜いたピアニスト。
実在のユダヤ人ピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマンの自伝映画。ドイツ将校のホーゼンフェルト大尉も存在する。拷問や過酷な労働で脳卒中を起こし、ソ連の捕虜収容所で衰弱死してしまう。
理不尽な差別を受けようともピアニストのシュピルマンは、また平穏な日常に戻れると信じていたのにも関わらず、死と危険が隣り合わせの地獄を知ることになる。ユダヤ人というだけで無慈悲な差別と迫害を受け続けた歴史。愚かな人間の考え一つで大量虐殺が起きてしまう人間の残酷性が憎い。この残酷な世界に絶望しながらも生きることを諦めないシュピルマンの力の根源は音楽と家族なのでしょうか。
ドイツ将校のホーゼンフェルト大尉にピアノの弾くよう言われたシュピルマン。廃墟で演奏したショパンの「Ballade No.1 in G minor」は、とても力強かった。罪のないユダヤ人への残虐、そして自身の激動の人生、美しい音色には悲しみと怒りの念が込められていた。心震わせる音楽は人を動かす力がある。"感情"が染みて伝わってくる素晴らしい場面でした。
昔アンネ・フランクの本を読んでいたのでユダヤ人迫害の恐ろしさを知っていました。アウシュヴィッツ強制収容所での忌々しい現実。