ドイツによる侵攻を受けるポーランド。そこでピアニストでユダヤ人のウワディスもドイツ軍による迫害の日々に晒されることとなる。迫害と戦争の恐ろしさを実話を元に投影した戦争映画。
ドイツ軍の非人道的行動の数々とユダヤ人の戦時中の苦悩が見ていてとてもキツい。
敵や反乱予備軍だからといった理由での虐殺なら、戦時下だし千歩譲ってなんとか分かる行動だが、日々の憂さ晴らしや快楽のために無抵抗で非力なユダヤ人を殺すシーンばかりで、戦争というものがいかに人々を狂わせるかを物語っている。
作品を通してウワディスの服装が変わっていくところが細やかな表現でとても好み。はじめの方はキツい生活ながらも、職業柄か清潔感のある身だしなみだったが、後半はかつてピアニストとして活躍していた影は見えることが無いほど荒んだ身なりになっている。
ドイツ軍の男から貰った服で戦争の最後は少し小綺麗な感じがするが、それが原因で発砲されるのはアクセントがあって良かった。
少し前に見たワルキューレを見たからか、ラストのドイツ軍人も自らの置かれる立場を毛嫌い、平和のために少しでも尽力を可能な限り尽くしたのではないかと思った
