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007/サンダーボール作戦のmimagordonのレビュー・感想・評価

007/サンダーボール作戦(1965年製作の映画)
4.8
どんどんスケールが大きくなるボンド映画4作目。アバンタイトルからガジェットがすごいことに。92年マイケル・ジャクソンがデンジャラス・ツアーでやったことの先駆け...ではないよね。ともあれ期待を膨らませるご挨拶から今まで以上にお洒落なタイトルクレジット、敵の狙いもやり方もスケールアップして、ストーリーだけ真面目に見れば荒唐無稽。それでも綺麗にまとめちゃうのがボンド映画。2時間10分の上映時間をバランスよく配分されたスパイ・サスペンスとアクションで飽きさせない。特に今作ではスパイシーンが多く、ジェームズ・ボンドをアクション・ヒーロー化させないところがいい。お互いを出し抜き合う腹の探りあいもスリリングだし、ボンド・ガールの役回りもちょっと捻ってあるのが憎い。そしてショーン・コネリーはどんどん色気を増していく...毎回美女と戯れているせいか(←おい)。

本作はアクション・シーンの見せ方も上手い。序盤の肉弾戦からしっかり誰がどう動いているのかわかる引き画の使い方。カメラの揺れでごまかすのがまだ当たり前にはなる前だが、時代特有の演技感がなく、かなりハラハラさせられる。そしてクライマックスの水中戦は圧巻の一言。敵見方が入り乱れながら、カット割りに頼らず引きと寄りを上手く繋げてどこでどう闘っているのかわかる画面構成は職人監督テレンス・ヤングの手腕が光る。かなり長いシーンだがスリリング目で観るものを引き付けて離さない。猛スピードで暴走するボートも、窓の外はスクリーン映像なのははっきりわかるのだけど、船内と船外のショット、狭い中での肉弾戦という設定を活かした切り替えで、もしかするとリアルなCGで詳細に描かれる昨今のアクションシーンより迫力があるのではないだろうか。前作「ゴールドフィンガー」はテンポよい展開ですっきり魅せるスマートさがあり、それもまたよかったのだが、「サンダーボール作戦」における緩急の付け方はいわゆるブロックバスター映画のお手本のような出来。コネリー・ボンド作品群はほんと色褪せないな...なんて思ったり。次に何が来るか?取りあえず目を瞑ろう()

ところで、トム・ジョーンズによる主題歌「Thunderball」ではラストのキーが高すぎて卒倒しちゃった話は有名だけど、今回観ていたら「サンダーボ~⤵️⤵️」と聴こえたのだけど、卒倒しちゃったのが録音されてたのかな。サントラ聴いてみよう。そっちでは編集されてるかもだけど。
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