BAC

007/サンダーボール作戦のBACのネタバレレビュー・内容・結末

007/サンダーボール作戦(1965年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

・画面が横長シネスコサイズになり、現在まで続く大作としてのシリーズの体裁がついに整う。ここから第二段階目のスタートを切った印象。

・一作目から順に観てくると、歌が始まるタイトルデザインのところで「あ ! いつも観てる007と同じ」って気持ちになったね。

・フロリダ半島(?)が奥に見える空撮で飛行機からフロッグメンが続々とパラシュートで降下して水中乱戦に突入するわ、水中翼船ディスコ・ボランテが分離するのを本当にやるわ、予算が増えたにしても製作期間一年でよく撮影したなあと思う。一作目から本作まで毎年公開だもんな。ここまで大作化して、リアルタイムで体験してたファンには至福の時だったと思う。

・監督のテレンス・ヤング。
「ドクター・ノオ」や「ロシアより~」にもパワーを感じたけど、「俺の有り余るパワーをぶつけてやる ! 」みたいな感じは無かったぞ。胸焼け寸前。マイケル・ベイか !?

・「ダークナイト」でパクられたラストのアレも、監督の有り余るパワーがあってこそ成し得た物としか言いようがない。なんだか無駄に八つ当たりしてるようなパワー。

・大作化して、話の展開にもちょっと大味なところは感じるけど、監督のパワーで見せきる。観光地で厚切りステーキを出された感じ。道具立ての大きさに、舞台のバハマの明るさもいいね。

・スペクターとMI-6の会議室のセットの大きさ、面白さ。構成員が一同に集まるとかウキウキする。

・銛の水中銃とナイフがメインの水中大乱闘。薄い血煙がフワっと拡がったり、正に肉弾戦。よく撮ったなあ。動きがスローにならざる得ない水中から、ハイスピードの水中翼船のアクションに移るのもいいね。

・ウニを踏んだドミノの足の裏から、口で針を抜いて(かな?)やるボンド。ベッドシーンよりも「エロっ ! 」て思ったな。ここも監督が肉食系であるのを感じるぞ。

・ブラザー・コンプレックスがありそうなドミノ。この感じ、ちょっと面白いアクセントになってるね。

・ラルゴさん、ヴァーガスをからかわないでやって。ある意味、シリーズ中一番気の毒な悪役って気もする。「恋もしない」ってEDってことだよな。それを気にしてるようだし。

・死んじゃう現地協力者のポーラ。
最後に着てるワンピースの色とか、MI ゴースト・プロトコルのエージェント・カーターのイメージだと思う。 レア・セドゥをブルジュ・ハリファから突き落とす場面の。ブラッド・バードの頭に、このイメージがあったんじゃないかと。

・これにせよX-MENファースト・ジェネレーションにせよ、他の映画で007オマージュを見つけるのも楽しいね。
BAC

BAC