mh

ナスターシャ 〜ドストエフスキー「白痴」よりのmhのレビュー・感想・評価

-
アンジェイワイダ×坂東玉三郎というので借りてみた。
ドストエフスキー「白痴」より抜き出したエピソードの密室劇。
もとはワイダが演出した演劇――坂東玉三郎の二人芝居が土台になってて、それを、ワイダ自身がポーランドで映画化(というよりも演劇を映像ソフト化)したみたいな企画。ここにいるワイダは、ドストエフスキーが好きな理知的な演劇人のほうなので、反体制の――抵抗三部作のワイダを期待してると肩透かし。
坂東玉三郎が当時、乗りに乗ってたからこそ誕生したタイトルって感じの内容で、共演者の永島敏行はだれでもいい感じ。
同じ場面を繰り返すという構成の妙など、坂東玉三郎以外の部分でも楽しめた。
そもそもは坂東玉三郎のトークショー付き巡業公演で流された映画みたい。つまりはやはり坂東玉三郎のファン向けなのだ。
時代が引き合わせた奇妙なコラボ作品でもあるんだけど、そのクオリティの高さは、アンジェイワイダと坂東玉三郎という世界的な才能あってこそのものなんだろうね。
面白かった。
mh

mh