いんげん

ブラッド・レッド・スカイのいんげんのレビュー・感想・評価

ブラッド・レッド・スカイ(2021年製作の映画)
2.8
Netflixオリジナルの新作ですか。飛行機内で起こるクローズドサークルスリラーですって!おもしろそう!みるぞー。


うん?!うーん。

これは評価の難しい一本だなぁ。

開幕5分、めっちゃおもしろそうな映画が始まるわけですよ。
最初からクライマックス!俺参上!とばかりに特殊部隊のコワモテの大佐がハイジャック現場に到着。機内から男の子一人だけが脱出してくる。操縦席には敵か味方か分からない謎の中東系男性が。いったい機内はどうなってるのか?!

そして一気に話は遡り、ハイジャックされた機体が離陸する前の空港シーンに移る。

ここまで100点でしょ。
引き込まれたねぇ。

そしてここからは人物紹介とばかりに、病気の母親や素直で聡明な感じの息子の登場。ちょっと退屈なシーンが続くが、まぁいいですよ。

そしてプリズンブレイクのリンカーン兄貴が率いる犯人たちのハイジャック事件が起こるわけだが、なんというか敵も味方も観ててイラつく選択肢を選びすぎやわ。

じっとしてろって言うのに走って逃げようとする息子。乗客を殺すのか殺さないのか中途半端にためらうハイジャッカー。
戦うのか戦わないのか煮え切らないお母さん。うーん。

ちょくちょく挟まれる過去回想も要らんかったかなぁ。
オープニングでハイジャック起きてからの場面を写してから時間軸もどしてる状態なのに、なんか回想シーンでさらに回想してる感じで気持ち悪かったわ。インセプションかよ。

なんで母ちゃんがああなったとか、別に説明いらんけどなぁ。もっと雑でいいからテンポ重視でお願いしたいね。


ラストのほうも悪くないのよ。悪くないんだけど、ああいう終わり方するんだったらもっと息子のエリアス君の成長譚としてわかりやすくしたほうが良くない?クマさんのぬいぐるみもいきなり取ってつけて出てきたから伏線としても弱かったし。

もっと最初のほうに「ぼくのクマさんは?ぼくのクマさんは?」って連呼させて、ママンに「ほんとにエリアスはクマさんとママがいないとダメねぇ」とか言わせるエピソード入れとくべきかと。

そうすることで、クマさんからリモコン出てきた時に「おおっ!」って驚けるし、最後のエリアスの決断、大爆発の別れもエモくなったと思うんやけど。

画面もカッコいいし、飛行機×スリラーというシチュエーションもドキドキさせてくれるのに、全体的にちょっと勿体ない気がした作品でした。