たけい

ベケットのたけいのレビュー・感想・評価

ベケット(2021年製作の映画)
3.7
何の説明もなくいきなり命を狙われ、息つく間も無く流れ流れていくため逃亡するベケットに自分を同期して体験しているような緊張感が得られるのが1番の見所。ベケットは言葉では感情を説明せず、全て表情や行動の芝居にのせる演出がとても効果的だった。

逃亡劇を中心に3つのパートで構成されてるが、最後がサラッとしている上にうっかりすると転換点を見落としてしまうくらい感情表現が無いのでそこそこの集中力は必要かも。まあそれがおしゃれなんだけど。

最後のセリフだけ、物語の締めとしては理解出来なかったが、瞬間不幸ランキング世界一位レベルの人があの状況で思うことと言えば、わざとらしい締めを言わない方が今後も人生が続いていくリアルさなのかと思ったりもした。

大衆に観やすい作品かどうかはさておき、良くも悪くも作り手の意思をダイレクトに感じるネトフリらしい映画でした。
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