しーかず

ベケットのしーかずのネタバレレビュー・内容・結末

ベケット(2021年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

言うほど悪くない。むしろ質素で派手な演出や音楽を省いた雰囲気は結構好きだし、展開も動きがあって観やすい。ただ、ストーリーの畳み方が少し雑に感じた。結局は極右団体と警察がグルでカラス議員を失脚させようとしてて、主人公ベケットは誘拐した甥を発見してしまったがために消さなきゃいけない存在になり、巻き込まれてしまったんだとは思うけど、アメリカ大使館職員が極左の奴が〜と嘘っぽいことを言ったまま真実明かされず終わるので、結局何だったのかすごく分かりづらい。全体的にもツッコミどころは多々あるんだけど、あまり野暮なことは気にせずに観ると一定の楽しさは得られる作品だったとは思う。序盤の彼女とのやりとりが少し長いのも無駄なイチャイチャ演出ではなくラストシーンの主人公の虚しさに移入できるように活きてた。「自分が死ぬべきだった」というセリフで終わるのも珍しいラストでわりと好きだし、ツッコミどころは抜きにして不思議な演出の個性ある作品だと思った。
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