河

ビリー・ザ・キッドの冒険の河のレビュー・感想・評価

ビリー・ザ・キッドの冒険(1971年製作の映画)
3.6
この監督にあった、追われる立場としての険しい山でのあらゆる運動、男女間の関係の変化が最小限の要素で実現されてるというか、ラストまではそれしかないって点ではこの監督の中で一番純化されていて好きな作品かもしれない

同じ時期にフィリップガレルがだだっ広い荒野でやろうとしていたことを険しい斜面でやっていたんだろうなと思っていて、自然で撮ってるのに平面的で壁画のようなセットのような映像が続く、ただそれが見たことない動きを撮るとかではなくB級的な感覚を補強する目的で使われてるように見えるのが不思議

英語バージョンで見たら元のフランスバージョンのタイトルが1コマだけ入っちゃってるとか、なんかもうクオリティの低さを美学にしてる感じがあって、キスからの綺麗に受け身取りながら落ちていくところ、画面外から飛び込んできて草に食いつくところ、そして落とし穴でふっと消えるところとか、点で見ればそれ由来の最高な瞬間はいくらでもあるけどそれはミーム的な嬉しさで、それをひたすら見せられることで何の喜びがあるのかが個人的にはわからなかった
河