人は見たいものしか見ないし、自分の都合の良いように物事を解釈するのだと改めて思いました。登場人物たちが、各々でこの物語の問題を勝手に判断した結果、何が起きているのかを掴めず、見失い、すれ違い、最悪に向かっていく様は、スリリングですが、悲しくなりました。
鑑賞中、子は親の欲を満たすものではないのに、、、という想いがあり、ピーターにずっと苛立ってました。けど、もし私が同じ状況に陥ったとき、ピーターのような言動をとってしまうのではないか、とも思いました。自分の理解を超えた状況では、逆に自分の凝り固まった価値観をもとに行動してしまう気がします。そんな時、心から信頼できる第三者がいれば、また結末が変わるのかもしれませんが……。
地味だし、とても重苦しい。けど、映像の美しさもあり、自然と惹き込まれました。自分も、何か大切なことから目を背けていないか、不安になる作品でした。
