ふわふわ

The Son/息子のふわふわのレビュー・感想・評価

The Son/息子(2022年製作の映画)
4.2
前作『ファーザー』で"現実“を見せられましたが、今作もそこには"現実"がありました。

あらすじ…

弁護士ピーターは新しい家族と幸せな生活を送っていた。
ある時別れた妻が17才の息子が不登校になったと相談をうける。
息子は妻の元を離れ、父であるピーターと家族と一緒に住む事になるが…。

凄く現実的な話しだった。
おそらくだけど、息子はピーターの元に来る前から病気だったのでは?
ピーターの家で病気がさらに悪化したのだと思う。

家庭環境は弱い心、繊細な心には悪影響を与える。
ピーターは『成果主義』。
ピーターの父親がそうだったように。
ピーター自身はそれを糧に頑張ってきたのだろう。
そして、その方法しか子供の接し方を知らない。
でも自分が出来たからって子供も出来るとは限らない。
彼は本質を見抜けない人間。

父親だけが息子の心の病の原因だとは言わないが、きっかけと悪い方向に持っていったのは事実。

自身の本質を見抜けない人間は他人の本質も見抜けないのでしょう。
犠牲になるのはか弱きもの。

最後の妄想まで『成果主義』だったのはある意味リアルな“現実”だなーと思いました。
自分を省みる事などないのでしょうね。
社会が『成果主義』だからしょうがないのですかね。
息子が見て欲しかったのはただのありのままの姿だと思うよ。
愛があっても知らずに誰かを追い詰める事もある。
やってるつもりが上っ面。
教訓のような映画でした。
『ファーザー』と同様に深みのある現実を観せてもらいました。
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