寝てるとき以外全部眠い

つかみ損ねた恋に: ディレクターズカットの寝てるとき以外全部眠いのレビュー・感想・評価

3.5
劇場公開版が見たい!と思った。

1回見ただけだと、登場人物の背景や関係性が見えづらく、ストーリーに入り込めない。個人的には時系列が前後する苦手なタイプ。おまけにSNSでのコメントやDM画面を多用するのも、新しさはないのになぜか頭がついてこない。時間をおいて2回見てようやく理解した。こちらは再編集されたもので、劇場版とは全く編集が異なるらしい。

「先に愛した人」と同じ脚本家と監督だから期待しすぎてしまった感がある。こちらも過去と現在を行ったり来たりするが、分かりやすく自然だった。

吳慷仁をあそこまで太らせる意味もよく分からなかった。"不規則な生活を送るCMディレクター役"だかららしいが、あまり必要性が感じられない。でもきっといつもの吳慷仁では、スタイリッシュすぎて"どうしようもないクズ男感"が出ず、雰囲気が合わなかっただろうなとは思う。母親とのシーンはとても良かった、泣けた。さすが。撮影現場では、彼の性格から思いやりあるあたたかさを取り除くため、監督の指示で周りが話しかけることを許さず、孤立し辛かったらしい。(超意訳)そらクランクアップで泣いちゃうよね。


台湾人ほどSNSと密な生活送ってない(そもそもFacebook自体日本では流行ってない)し、自分自身がリアルの人間とSNSで繋がらないを徹底しているため、ストーリー全体への共感度は低かった。台湾だとこの映画人気なのかな?

それでも、後半にかけて真実を知った主人公がやがて過去を受け止め、頑なな心を解放する瞬間や、後輩たちと少し打ち解ける感じは安心したし泣けた。心の成長。全ての配役がぴったりハマってるのもよかった。

人間幾つになっても反省・学び・成長できるもんだよね。素直に生き、素直な気持ちを伝えようと思えた。