慢性病に悩む女弁護士リンダ。折角のベネツィアへの旅行をキャンセルさせられ、取り組まさせられた事件は、グレイトだけどアタマおかしい音楽プロデューサー、フィル・スペクターの殺人容疑の弁護。冤罪の確信を得るが、フィルの奇行と世間からのバッシングに悩まされ、酷い目に遭う!
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りんだ:いかにも体調が悪そうな、おばちゃん弁護士。あまり乗り気ではなかった事件に着手するが、一旦エンジンがかかるとガンガンかましてくるのがカッコいい。しかし、イナゴのように湧くアンチのバッシングに身も心もボロボロな御様子なのです。
ふいる:アメリカのミュージックシーンにその名を残した、スーパーグレートなプロデューサー。豪邸にお持ち帰りした「バーのウェイトレス」の女の子、らなが家にあったピストルで死亡、殺人容疑者として起訴される。
大物なので、態度でかいです。
大物なので、誰にでも毒吐きます。
大物なので、腹を立てるとバカボンのホンカンのように、ピストルを乱射します。
大物なので、刑事被告人らしく殊勝な格好で出廷しろといっても、言うことを聞きません。
「オレは、ジミヘンを尊敬してるから!」
そう嘯いて、裁判の場に、ちょっとそれはないだろうという、ジミヘンばりのアフロヘアーをきめて登場してリンダの心をかき乱します……。
さてさて、リンダとふいるは冤罪無罪を勝ち取れるのでしょうか……。
アル・パチーノの、薬剤性パーキンソニズムによると思われる、手のピクピク振戦とか、細やかな表情変化の演技には、ところどころ、おぅっとさせられますが、いかんせん、filmization of real eventsなので、物語自体がもう一つ盛り上がりに欠けているのが残念なところです。